Armonioso吹奏楽団第一回演奏会

3月の第2週から第3週にかけては全国でさまざまな吹奏楽団の演奏会が行われますね。
今回は鹿児島にいたので、アルモニオーソ吹奏楽の設立記念演奏会を聞きに、谷山サザンホールに足を運びました。
このバンドは、結成してまだ1年半ほどでしょうか。
去年のコンクールに初出場していますが、その時に、精華女子高校藤重佳久先生に指導を仰いだ関係で、今回のコンサートでは、その藤重先生へのお礼という意味で、スパーク作曲「宇宙の音楽」を選曲したようです。
しかし、練習回数の少ない一般バンドで「宇宙の音楽」を仕上げて行くのは、至難の業ですが・・・・。

この日のコンサートは、3部構成。まずは、常任指揮者による、アルメニアンダンスパート1。
松陽高校卒業生によるオリジナル作品の初演。
そして現在鹿児島国際大学で声楽を専攻している2人のソリストを迎えてのオペラのアリアの披露、でした。
全体的にコンパクトで、小編成のバンドによる演奏(伴奏)もバランス良く出来ていたと思います。大学生を中心にまだまだ若いバンドらしく、友人のつてを最大限に利用した演出は好感が持てました。
そして第2部は、精華女子高校の藤重先生を迎えての課題曲のお披露目。
1番〜4番まで、1曲ずつ藤重氏の解説を交えて、最後にフルで演奏するというスタイルは、当日会場に来ていた中学生や高校生にとっては非常に良い勉強の場となったようでした。
しかし、最近は良くテレビにも登場しているので、やはり人気者でしたね〜。
第3部は、ポップスステージと、メインイベントの「宇宙の音楽」。
この気合の入り方は、おそらく今年の自由曲にするんだろうなという感じでしたが、マエストロの力で音楽の場面転換もスムーズに展開。
特に、終盤のハルモニアの歌い方は、学生でもなく、大人でもなく、その途上にある独特なハーモニーバランスが、初々しさを醸し出していました。
今の段階でここまで仕上げていたわけですが、ここから更に高みを目指すのは、非常にパワーのいる作業ですが、夏に向けてどこまで音楽を進化させて行くのか、楽しみに注目していたいと思います。
最後のアンコールは、過去の人気課題曲ディスコキッドでした。

鹿児島県は中学校や高校の盛り上がりに比べると、大学から一般にかけては、なかなか活動の盛り上がりが感じられないわけですが、こうした若いバンドが次々に登場して、シーンをエモーショナルに活性化させて行くというのは非常に喜ばしいことではないかと思います。
今回の声楽とのコラボレーションや鹿児島出身の作曲家の卵達の発掘など、慣例にとらわれない自由な発想のバンドがもっともっと切磋琢磨していけるような、そんな環境に鹿児島の吹奏楽シーンが発展して行くと、もっといろんな可能性の場が音楽を目指す若者たちに提供されるようになるでしょう。
そして、このバンドのコンクールや、次なる演奏会の拡がりを楽しみにしていましょう。