第52回福岡吹奏楽コンクール高校の部第一日目

blueoceans122007-07-21

今日は、例のように仕事の合間を縫って、福岡サンパレスに何度か足を運んだ。今日の大会は県大会ではなく、福岡支部から県大会に推薦する団体を決める大会である。
しかし、この支部には、福岡工業大学附属城東高校と、精華女子校、そして福岡第一高校という、九州代表の常連校を抱える、激戦区である。

ではその中から演奏を聞かせていただいた金賞団体の感想を。まずは、

九州女子高校。課題曲4、自由曲・交響曲第三番より(バーンズ)
課題曲の冒頭から非常に豊かなサウンドが会場いっぱいに広がる。が、曲の輪郭は捉えることが出来るのだが、細かいフレーズがほぼすべて埋もれてしまっているのが残念。ややアナリーゼ不足だと思われる。自由曲になると、さらにバランスを崩し、特に後半部のうねる様な内声部が聞こえず、バーンズ特有の音の津波が再現出来ていなかった。しかし、しっかりとした技術とサウンドを持ったバンドではある。

福岡県立福岡高校。課題曲3、自由曲・キャンディード組曲バーンスタイン
しっかりと芯の通ったサウンドが課題曲の冒頭を軽やかに演出。3番を選んだということは個々の技術に自身があるのだろう。がしかし、全体を通して音楽が平面的だったのが残念。3番は特にサウンドのバリエーション力も要求されるので、技術と共に豊富な音色のバリエーションを持ち合わせなければ、演奏効果は半減してしまうのである。自由曲は、この楽曲そのものが吹奏楽で演奏するのに効果的なものではないが、粒のそろったサウンドがここでも心地よかった。今後は何か個性めいたものをどう身につけ、どう発揮するか・・・・というところだろう。

福岡県立朝倉高校。課題曲4、自由曲・バレエ音楽「三角帽子」より(ファリャ)
ここもその豊かなサウンドが非常に心地よい課題曲の冒頭部分だった。細かいフレーズもしっかりと再現されてよく研究されているのが演奏で手に取るようにわかる。対旋律のバランスも良く、個々の技術も高いバンドのようだ。自由曲はややレトロながら、最近は全国大会にもまたまた登場するようになった色彩豊かな作品。冒頭から、自信に満ちたホルン、そしてダブルリードの豊かな音量など、個人としてもバンドとしてもレベルが高いの証明する演奏だった。ただ、楽曲の持つ色彩感に頼ってしまっている感じで、バンドのサウンドにバリエーションがあまり感じられなかったのが残念。やはりバンドの器量が楽曲を凌駕するようにならないと、説得力に欠ける音楽になってしまうのである。

都築学園福岡第一高校。課題曲3、自由曲・幻想交響曲より(ベルリオーズ
全国大会常連バンドの登場だ。課題曲3は、個人の技量が必要とはいえ、このバンドには余裕の演奏となった。そして、サウンドはダイナミックレンジの広さも、音量感も充分で、この日聞いた中では随一のものだった。がしかし、低音楽器がやや音量過多で、コンサートマーチとしては、ややバランスが悪かったのと、やや傷が見られたのが気にはなった。まだまだピークは先に置いているのだろう。さて、自由曲はこちらも懐かしいラインナップ。冒頭部分はやや「おどろおどろしさ」に欠けたのが残念。ややタイトルとかけ離れたものになってしまっていた。中間部のチャイムの処理はこの大会だけの仕様なのか?少々違和感を感じたが・・・・。また後半ではやや息切れして、アンサンブルにも乱れが見えたが、次までには修正してくるに違いない。それから、金管に比べてやや木管が弱いのも気にはなった。しかし、もちろん一日目の中では圧倒的な存在感を放っていたのは、確かである。

福岡県立城南高校。課題曲4、自由曲・バレエ音楽「三角帽子」より
かつては、全国大会への出場経験もある高校である。指揮者が交代して二年目、かな?サウンド的にはややこじんまりとしてしまった印象ではあるが、やはり個々の技術は高いと見られる。課題曲は全体を通してまだアナリーゼ不足で、一つ一つの細かいフレーズのバランスをどう取るのか、研究の余地がありそうだ。また、中域のサウンドがやや弱く、音楽が薄っぺらくなってしまっていたのも残念だった。さて、自由曲は今日2団体目だったが、選択箇所が異なる。冒頭のペットはよく息を合わせているが、音質があっていないために、一直線の音になっていないのが残念。その他のソロ楽器も今日はやや不調のようだった。が、やはり伝統のある合奏力はさすがのものを感じた。

さ、明日は二日目。楽しみな団体がまたまた登場する。