福岡吹奏楽コンクール第一日目

帰京を延ばして、福岡サンパレスで行われた、吹奏楽コンクール福岡地区大会に行ってきました。
仕事の都合で聞けたのは、大牟田までですが、気になった団体の感想など。

まずは、朝一の福岡県立武蔵台高校
非常にバランスのいいサウンドを持っているのだが、全体的にエッジがないのが残念。音楽はスムースに進行するが、スムースすぎて表現が平坦になっていたのが、もったいない。たとえば、主旋律とオブリにおけるサウンドに変化がないなど、音色の種類の少なさが、大きな原因だと思われる。技術力もあるバンドなので、その辺りを克服してほしいなと感じた。

続いて、福岡県立須恵高校
29名という少人数での演奏だが、課題曲の冒頭から、音量音色ともに素晴らしく、しばしその音世界に浸らせてもらった。特に人数の約三分の一を占める打楽器セクションが素晴らしい。たとえばスネアのマーチにおける刻みは阿蘇炉しく性格で、ppになっても、絶妙な音量でまったくぶれることなく聞こえてきたのには脱帽。鍵盤打楽器やバスドラムの音量音色も絶妙。勿論管楽器の技術も高く、課題曲自由曲ともに、この人数で高い完成度の音楽を作り上げて来たのは立派。ただ、課題曲のテンポ設定が早すぎで、細かなパッセージの再現がいまひとす不鮮明になっていたりしたのは、大いに残念だった。自由曲は懐かしすぎて、涙涙涙。が、やや古い楽曲なので、今の時代に合ったオーケストレーションに調整する工夫も必要なのではないかなとも思われた。

休憩を挟んで、常勝、精華女子高校
課題曲の冒頭から、役者が違うことを実感。イントロから、それまでの空気を一新するパワーはさすがのものを感じさせる。アンサンブルも安定していて、安心して聞けたのだが、ところどころで、ハーモニーのバランスを崩したり、オブリなどに、もっと表現の余地があるのでは・・・・と思わせる部分があったのも確か。しかし、支部大会の時点での完成度としては、かなりのレベルの高さである。自由曲は全国的に注目度の高い、フェスティバル・ヴァリエーション。冒頭の自信にあふれたホルンから、思いがひとつになった、フィナーレまで、息をつかせない場面転換の上手さは精華ならではのものである。やや、低音金管がバランスを崩す場面も見られたが、圧倒的な音楽の展開ぶりの中では、大きな問題にはならなかったようだ。いずれにしても本日ぶっちぎりの名演である。

そして、中村学園女子高校
課題曲の冒頭から、音楽が重いのが気になった。トゥッティのサウンドなどにはキラリと光るものを感じさせてくれるが、まだまだサウンドの整理が必要なようだ。自由曲では、前半部分でピッチの不安定さが目立ったが、合奏部分では重厚なサウンドをホールいっぱいに聞かせていたのが印象的だった。音楽的には、全体的に平坦になりすぎで、ストーリーが見えてこなかったのが、残念だった。

そして、今日最後に聞いた大牟田高校
課題曲の冒頭から、十分すぎるほどの音量が響いてきたが、音量そのものより、やや金属的な音質のほうに問題があるのでは、と思われた。それは自由曲になると更に顕著になり、部分的には音楽を逸脱してしまう部分も見られた。奏者の技術は非常に高いと思われるが、それをどう整理して、どう表情を付け、音楽として生命を持たせるか・・・・このバンドの課題はこの辺にあるのではないかと思われた。

というわけで今日金賞を受賞したのは

4 県立須恵高校
7 精華女子高校
9 中村学園女子高校
19 大牟田高校
20 県立春日高校
22 県立筑紫丘高校

明日、二日目が行われ、各賞が決定し、福岡地区代表が決定。8月5日の福岡県大会で、北九州地区代表と筑豊地区代表が加わり演奏し、県代表が決定するというスケジュールになる。