ブロークバック・マウンテン

blueoceans122005-12-20

今日は、何でもいいから何か映画を観ようかなと、試写状を見ていてなんとなく軽い気持ちで見れるかなと思って、「ブロークバック・マウンテン」を見に出かけた。
冒頭は、なんとなく「ああ、カーボーイの友情ものかな」って感じで眠りかけていたわけだが、それが友情の一線を越えたところで、目が覚めてしまった。
この時点で、まったくストーリーの予測がつかなくなったのである。
その辺で、今年度のオスカー候補の最有力作品が、カーボーイの同性愛を描いた映画だという情報を聞いたのを思い出した。

エンタメニュースでは同性愛ものの映画という触れ込みだったが、というよりは、60年代という時代、そしてワイオミング州というカントリーサイドという閉鎖的な社会で、タブーの重圧に耐えながら、愛情を育んでいった二人の男の心理、そして、彼らをとりまく妻や子供、そして家族の葛藤を描いた作品だと言った方がいいだろう。

監督は、アン・リー
主演は、ヒース・レジャージェイク・ギレンホール
やや流行かぶれで進取的なジェイクとは対照的に、アメリカの田舎の地味な若者そのもののヒース・レジャーの静かな主張を持った演技に、心が切り刻まれそうな思いがする。各賞を総なめというのも頷けるというものだ。

ニューヨークとロサンゼルスの批評家協会賞をすでに受賞。
最多ノミネートのゴールデングローブも制覇すれば、おそらくオスカーは堅いだろう。それを見越してか、日本での公開は3月。
配給会社の気持ちはわかるが、もう少し前倒しして欲しいような気もする。

原作は、ピューリッツァー賞作家の、アニー・ブルー。
やや映画ではわかりにくかった人間関係もあったので、原作も読んでみようと思う。
アメリカの批評のなかで、「近年のアメリカ映画の中でもっとも重要な作品」と書かれていたものがあったが、「最高の」ではなく「極上の」でもなく、「重要な」作品であることに注目したい。