吹奏楽コンクール鹿児島県大会大学一般の部

blueoceans122006-07-30

鹿児島県の大学の部は、1校しか出ないので、必然的に代表になれるわけだが、その中でモチベーションを維持し続けるのは難しいだろうと想像する。そんな中、その鹿児島大学吹奏楽は、去年はここ数年でもかなりいい演奏を聞かせていただいたが、今年は、例年通りの音楽に戻ってしまっていたのが残念。大学生ならではの音楽的な追求を望みたいところだが・・・・。

さて、一般の部のトップは、松陽高校OB吹奏楽団「緑」。課題曲の冒頭から木管を柱にすえた温かみのあるサウンドにホッとさせられる。ただ、記譜とおりにこなしてはいるが、更なる音楽的な主張を感じられなかったのが残念。自由曲は、やはりそのサウンドを生かした選曲で、このバンドならではの世界観を作っていたが、作曲者がオーディエンスに与えたかった出あろう「情景」を想起させるような説得力が加味されれば、ワンランク上のチャイコフスキーになるのではないかと思われる。

続いて、新興勢力の桃美吹奏楽。課題曲は、やや不安定な導入部からスタートして、終始その不安定感が払拭されなかったのが残念。しかし、以前よりもサウンドに重量感が増してきたことで、音楽として表現したい事が容易に可能となってきたのではないかという印象を受けた。あとはこれにエッジの鋭さが加われば面白い存在になるだろう。自由曲では、終始躍動感のある音楽を展開していたが、ここでもサウンドのエッジ不足がスピード感をそいでしまったのが惜しい。

さて続くは、KBC吹奏楽。コンクール常連のバンドだが、今年は例年以上に安全運転状態で音楽が進んで行ったのが残念。自由曲もこのバンドにあっているのか少々疑問だった。
続く吹奏楽団「尾立部屋」は、課題曲は全体的にもやもや感が漂っていたが、自由曲では、そのもやもやを吹き飛ばすような音楽を聞かせていた。課題曲の選択ミスだったかも知れない。
そして、続くアンサンブル南星。このバンドも、課題曲の音楽的な表現にややかける部分があり、自由曲での熱いメッセ−ジとの温度差が気になった。

さて、続くは、宮之城吹奏楽。ここ数年迷いが見られたこのバンドだが、課題曲は、やや輪郭のはっきりしない部分があったものの、よくアナリーゼされた深みのある音楽に仕上げていた。自由曲は、こんな曲こそが、このバンドに最も合うのでは・・・・という選曲で、バンドの特質を存分に生かした音楽に仕上げていた。久々にこのバンドの真骨頂を垣間見た感じだ。流麗なフルートの音色も非常に美しく会場いっぱいに届いていた。

さ、最後はJSB吹奏楽。課題曲は、冒頭からアンサンブルの乱れが目立ったほか、いまひとつアナリーゼ不足の感は否めなく、終始重々しい音楽になってしまっていたのが残念。ややサウンドに頼りすぎた感じがしないでもなかった。自由曲も、この曲の何を訴えたいのか、聞かせたいのかが最後まで伝わってこなかったのは、残念。次のステップまでの建て直しを望みたいものだ。

大学の部金賞代表校
鹿児島大学学友会吹奏楽

一般の部金賞代表団体
松陽高校OB吹奏楽団「緑」、宮之城吹奏楽団、JSB吹奏楽
一般の部その他の金賞受賞団体
桃美吹奏楽
一般の部銀賞受賞団体
KBC吹奏楽団、吹奏楽団尾立部屋、アンサンブル南星