2006年吹奏楽コンクール大学の部総括

blueoceans122007-03-01

さて、総括シリーズも大学の部。
大学の部というのは、実は個人的には最も楽しみにしている部門のひとつ。
特に、全国大会よりも、ここ数年の東京都大会のスリリングな展開に興味をそそられる。

ま、それはいいとして全国大会。
結果として、いわゆる4強が金賞を受賞するという波乱のない大会だったが、この4強の演奏、ここ数年常にレベルの高い音楽を残していて、課題曲の相性や自由曲の選曲でその年の順位が若干代わる・・・・そんな感じだと言っていいだろう。
特に4強の強みのひとつは、高校の部のようなひたすら訓練的な音楽でもなく、また一般の部のような人数の圧力で展開する音楽でもなく、また個々の団体の選曲の傾向がかぶらない、という点にあるのだろう。

今年は個人的にはやや文教大学が不調なように感じたが、1年休んだあとには、またあの繊細でありながら粒断ちのいいサウンドと音楽が戻って来るだろう。
駒澤大学龍谷大学神奈川大学については、ほぼ差はみられず、やや神奈川大学の自由曲に対する好みが別れたかな、という程度。
一般受けしやすいコードが連続する龍谷大学の自由曲は、やはり好みが割れる事なく、平均的に点数を稼げるのが特徴だろう。勿論、演奏技術や音楽のクオリティも高い。
駒澤大学のレトロ選曲は、ある意味冒険なのだが、あそこまで揺るぎない音楽に仕上げてくれば、選曲云々は問題ではなくなるのだろう。
このようにここ数年の大学の部は、こうした個性溢れる名演に出会えるのが面白い。ただ、この4団体とその他の大学の間に明確な差があるのが残念なところ。
今大会では、京都の立命館大学の演奏には金賞をあげてもいいのかな・・・・という気もしたが、やや高校の延長的な音楽展開だったのが、4強との大きな差だったように思われる。大学生ならではの一歩進んだ音楽作りがなされれば、4強との争いに絡んでくる事も可能ではないかと思われる。

2007年は、駒澤大学文教大学が3出休み。激戦の東京大会を抜けて来るのはどの学校なのか。2強に迫るのはどこになるのか、そういういみで2007年も大学の部から目が離せない。