2006年吹奏楽コンクール職場の部総括

blueoceans122007-03-13

ここ数年、いろんな意味で話題になっているのがこの職場の部。
そもそも、以前はいわゆる3強(たまに4強)とそれ以外のバンドの力に差があったのが、2006年のコンクールではその勢力図に明らかな変化が起きていた。
これまでの3強に代わって、新興勢力のNTTグループが台頭して来たことだ。
ただ、これがこの部門の大きな打開策になるのかというと、そうでもないのも実情。
というのも、去年の金賞団体がこれまでの職場の部のカラーと最も違う点が、学生時代の吹奏楽部の延長的なものであるという点である。
もちろん、「職場の部の廃止論」や「一般の部との統合論」は根本的な解決に繋がることは全くないわけで、げんざいその方向に向かっているということに、非常に残念さを感じてしまう。
勿論そういうことになれば、職場のバンドの入部規制も緩やかになり、学生や一般人も入部が可能となるのだろう。
自分の中では「それってどうなんだろう」という部分と「そういう事で地元の人々との交流が図れるのならそれはそれでいい方向に向かうのかも」という部分が葛藤している。
つまり、すぐ統合とかではなく、団員の条件の縛りを緩くしてもう少し職場の部の行方をながめていいのではないかと思えるのである。
なんて考えているうちに、すぐにも次の大会はやって来る。2007年は上位団体の3つがお休み。
展望の見える大会になるのか、或いは方向性を決定づける大会になるのか。
いずれにしても、この部門の楽しみは、その選曲の幅の広さにこそ魅力があるのだと思う。

そうそう、演奏の総括が出来ていなかった。
金賞団体のNTTグループは、中国は別にして、東京については、2005年の大会で金賞を取っても決しておかしくはなかった。そういう点で、安定した力を身につけたと言えるだろう。
中国の方は、選曲的にも演奏的にも安全運転だったのが、個人的には物足りなかった。
ブリヂストンについては、地区大会での完成度の低さがここ数年特に顕著である。しかし、これも仕事をしながらという職場の部の身のつらさなのかも知れない。
そういう部分では阪急百貨店は、イベントも多く大変だろう。
ヤマハについては、個人的には音楽を感じる選曲を望みたいが、職場自体が管楽シーンの先駆者的な使命を負わせている部分もあって、ここ一発のコンクールでのスタンスの取り方に迷いがあるのだろう。
そんな中で、新興勢力も登場して来た職場の部。2007年もそれぞれの団体のスタンスの取り方に注目したい。