2007年東京都吹奏楽コンクール・一般・大学・職場の部

blueoceans122007-09-02

今日は、府中の森芸術劇場に、今年の吹奏楽コンクール東京大会を聞きにでかけた。
京王線に乗るのは約一年ぶりなので、少々乗り換え等に手間取り、一般の部プログラム1番、ミュゼ・ダールは聞くことができなかった。残念。

2番目に登場したのは、創価グロリア吹奏楽
指揮者が交代して今回で2年目。今年も予選はトップで通過。課題曲・自由曲共に、堅実な演奏という印象を受けたが、全体的にサウンドにも音楽にもエッジみたいなものが足りないために、印象が散漫になってしまうのが残念だった。がしかし、東京でトップクラスの力を持っているのは間違いない。
続いて3番目に登場したのは、昨年まで2年連続全国大会出場の東京正人吹奏楽。課題曲は5番。冒頭はやや不安定さを感じさせたが、曲が進むにつれて次第に本領を発揮して行く。また、自由曲は、定期演奏会の時に聞いたものとは別物のように精度を高めた好演だった。中盤のティンパニーとトランペットのコラボレーションも、心憎い配置で心地よく聞かせていただいたが、全体的に表情の変化に乏しかったのが残念だった。
そして一般の部のトリを飾ったのは、創価グロリアの前の指揮者、佐川聖二氏率いる、リヴィエール吹奏楽。課題曲の冒頭はやや息が合わずヒヤリとしたが、マイルドなサウンドは非常に心地よかった。が、マーチとしては少々粘っこい感じだったのは残念。自由曲は、鈴木英史作曲の「大いなる約束の大地〜チンギス・ハーン」。最近のコンクール用邦人作品に共通する構成で、前半やや難解な提示があり、そのモチーフを基に展開、後半平易な分かりやすい旋律でクライマックスを迎えるというパターンの曲。タイトルらしくモンゴル風の民族的部分もあり、今後コンクールで流行るかもしれない。鈴木氏らしい巧妙なオーケストレーションの曲で、アーノルド風のオーケストレーションもあったりするなど、佐川氏との相性も良かったのではないかと思われる。
昨年の予選銀賞から、今年は予選2位からの逆転で、初の東京代表権を手にした。おめでとう。

さて、今年は職場の部も、初の代表が決定。
このところ常連のNTT東京が、全国大会3回連続出場のために今年はお休み。そこで、どこが代表権を獲得するかで注目を集めた。
その代表権を獲得したのは、東芝府中吹奏楽
東京都大会には常連のこのバンドだが、意外にも今回が全国大会には初出場となる。
課題曲4番は、無難なマーチだったが、やや表情に乏しかったのが残念。トリオ後のファンファーレも、大人のバンドらしく勇壮に行きたかったが、全体的に消極的な部分が目立っていた。また時折必要以上にバスドラムがドカドカ鳴らしたてるのは、少々よろしくないのではないかと思う。
自由曲は、去年創価大学イオニアが名演を残した、スパークの作品。非常にアグレッシブながっきょくだが、ここでも、終始安全運転だったのは残念。終盤も、パーカッションではなく、吹奏楽器であのうねるような世界観を演出出来れば、と思う。まだまだ全国大会にまでは時間があるので、折角の初代表、少しでもいいポジションを狙ってほしいものだ。
予選一位と聞いていたソニー吹奏楽は、部分的には東芝府中を上回る部分も随所には見受けられたが、総合的なサウンドの部分では東芝府中が圧倒していた。そして何よりも東芝府中は音楽が素直で安定していたのが良かった。願わくば、ここに大人の音楽の艶がどこまで加わるか・・・・長野での快演に期待していよう。何はともあれ、初の東京代表、おめでとう。

そして今日はもう一部門、大学の部も行われた。
大学の部も今年は常勝の駒澤大学が全国大会3年連続出場のためにお休み。そんな中でも、創価大学玉川大学中央大学東海大学など、層の厚い東京大会大学の部は、面白い。
そんな中で代表権をゲットしたのは、昨年も金賞を受賞しながら苦杯を嘗めた創価イオニア大学吹奏楽
課題曲・自由曲を通じて、プログラム一番ながら鉄壁のサウンドと音楽で、続く5団体を寄せつけなかった。ただ、やはりこのバンドのここ数年の悪癖である吹奏楽器と打楽器のバランスが、随所で崩れていたのは残念。今年の全国大会は常勝の2団体が3出休みで、比較的広き門の年にはなっているが、油断せずに、更に鉄壁のサウンドバランスで全国大会に臨んでもらいたいものだ。
その他の団体では、音楽に躍動感があった中央大学や、素直な音楽表現と演奏能力の素晴らしさを楽しませてくれた東海大学吹奏楽器で音楽を奏でる事に徹底していた玉川大学、毎年安定したサウンドと音楽を維持している立正大学、そして学生指揮(多分)ながら、豊かなサウンドが印象的だった青山学院大学などなど、東京の大学のレベルの高さを改めて感じさせてくれた東京大会だった。このレベルの高さで代表団体1つというのは、やはり勿体ない。毎年返上している四国枠が欲しいくらいである。
ま、ともあれ、久々の代表となって創価大学には、久々の全国の舞台を楽しんできてもらいたいものである。