鹿児島県立松陽高等学校定期演奏会

去年は多忙で行けなかったので、この学校の定期演奏会を聴くのは、2年ぶりになるかな。
前半は、エレクトーンやピアノ、そして合唱の演奏、そして後半が吹奏楽部の演奏というスタイルを取っている。
都合で昼の部しか行けなかったが、トップハッターは、電子オルガン。
とはいえ、商標登録で使えなかったのだろうが、演奏で使用したのはエレクトーン。
最近のエレクトーンは、シーケンス機能が非常に優れているが、よく楽器を理解したパフォーマンスだったと思う。
本人の作曲による作品だったが、何かひとつ説得力のある主題の提示だとか、聴くものを惹きつけるコード進行とか、そういうものを研究すれば、さらにパフォーマンスがアップグレードするのではないかな、という印象だった。
この学校、電子オルガン科もあるのかな?
その後はピアノやアンサンブル、そして合唱など、音楽を楽しんでいるという感じのパフォーマンスが初々しかった。

さて、後半は、吹奏楽部。
この演奏会から、顧問指揮者が新たな先生に交代ということになった。
冒頭は、いきなり「第六」。去年、指揮者が中学校を全国大会に導いた楽曲。
4月になって以降の練習だったと思われるが、ややアンサンブルに乱れが見られたのは残念だったが、逆に言うと、短期間でよくここまで持ってきたなという印象でもあった。
やはり、個々の奏者の技術的レベルが高いのだろう。
そういう意味で、今年の課題曲のひとつ,ブライアンの休日は見事なパフォーマンスだった。
トゥーランドットは、かなりあっさりめのプッチーニという感じだったが、こういう曲を練習曲のように演奏してしまう技術力の高さに逆に脱帽してしまったのである。
面白かったのは、1年生によるステージ。例年、初々しさだけがアピールされて来ていたが、今年は、最もサウンドがよくまとまった1年生の演奏演目だったのではないだろうか。おそらく、上級生は以前のサウンドと、新たな顧問のサウンドの狭間で、まだ自分たち本来のサウンドに到達していないのに比べて、1年生は真っ白な状態から作られたサウンドなので、より早く自分たちのの音を見極められたのではないかと思う。
もちろん、技術的には、2〜3年生の方がはるかに上ではあるのだが・・・・これが合奏の生み出せる技なのだろう。
さてさて、来るべきコンクールは、課題曲も自由曲も、この昼の部で演奏されたものではないだろう。
そして2〜3年生のサウンドも、より厳選され、よりブレンドされ、音楽的にもタイトなものに仕上げて来ると思われる。
その完成型の第一段階が聞ける鹿児島県大会は非常に刺激的なものになるだろう。