坂本龍一コンサート@福岡サンパレス

blueoceans122009-04-05

先日、聴きようによっては実験的なアルバムとも言える「out of noise」をリリースした教授こと、坂本龍一氏のコンサートに行ってきた。

ステージ上には2台のピアノがおかれているだけ。そのセッティングの中でソロコンサートは進行して行くのだが、midiでピアノを同期させながらそれに合わせて弾いていくというスタイルが何カ所かあったので、2台のピアノが設置されていたようだ。

坂本龍一氏自身は「自分はピアノそのものは上手じゃないから、本当にうまい人が弾いた方が・・・・」なんていう発言をしたこともあったが、音楽というのはそういうものではないだろう。坂本龍一氏本人が紡ぎだすソフトでありながらも芯の通ったピアノサウンドは、ピアニッシモでも会場の隅々にまでピンポイントで届いてくる。

楽曲によっては、やや難解に思うお客さんもいたかも知れないが、サウンドの妙が無機質なハーモニーに生命を吹き込んでいたのは圧巻だった。一カ所、会場の携帯電話での撮影を許可するという演出もあり、その携帯電話の撮影音とピアノのパッセージをコラボレーションていたのは心憎い。教授らしい演出といえば演出か。

アンコールでは、会場前方のファンの強い要望で、戦場のメリークリスマスも披露。ホール全体を不思議な一体感が包む。そして最後はmidiを駆使した楽曲で終了。

先日ニューヨークに行った時に、キース・ジャレットのソロコンサートをカーネギーホールで見てきたのでだが、その時以上の感銘をもらったような気がする。ここ数年はあまり坂本龍一氏のコンサートには足を運んでなかったが、次も多分行くだろう。