ミュージカル「スリル・ミー」 in ソウル

ここ数年韓国の主要な駅周辺には次々に中小規模の劇場が乱立しています。
それに伴って、オフ・ブロードウェイ等で上演される中小規模のミュージカルやストレートプレイが次々に翻訳上演されています。
そんな中から、今回は「スリル・ミー」という演目を新村にある小劇場に見に行ってきました。
このミュージカルは、1924年のシカゴで、法律学校に通う同性愛関係にある2人の学生が殺人事件を起こす・・・という実際に起こった事件を元にしたミュージカル。

というわけで、この危うい関係を男性2人とピアノの伴奏だけで進行して行くわけで、キャスティングによっては5分が完売になった組み合わせもあるとのこと。
自分は普通にチケットが取れたので、多分女の子達に人気の俳優さんの組み合わせでは無かったのでしょう。
しかし、平日の昼間なのに場内は満席。
ここんとこの韓国のミュージカル熱のヒートアップぶりは凄まじいですね。
そして、恐らくまず歌えない人はミュージカルに立たせないというポリシーがあるのでしょう、この2人の歌唱力、大劇場に出演するミュージカル俳優達に勝るとも劣らないクオリティの高さでした。ピアノもシーンシーンで音色を使い分けていて、非常に好感がもてる演奏でした。
オフ・ブロードウェイの公演は昔一度見たことがあり、CDも持っていたので、セリフが韓国語でも大丈夫でしたが、2人の男性の時に甘く、時に反駁しあうシーンと、裁判時のおどろおどろしい回顧シーンが交錯して、非常に緊張感を維持し続けた好演でした。
ところで、最近は舞台上にも左右に客席を設ける公演が日本でもブロードウェイ等でも増えていますが、今回の「スリル・ミー」もそのスタイルを踏襲。裁判のシーンではその席が陪審員席のような役割を果たすという設定でした。
それにしても、韓国に行ってまでこうした小規模公演等に足を運ぶ物好きは自分ぐらいか・・・・と思いきや日本でも韓国演劇のブログを書いている人が沢山いて、この「スリル・ミー」も沢山の方々が日本から観劇に訪れているよう。恐るべしですね。
また機会あるごとにこうした小劇場での翻訳公演を覗いてみたいと思います。