福岡県吹奏楽コンクール福岡支部予選

土曜日に仕事の関係で福岡入りしたので、二日間にわたって行われた福岡支部予選を、仕事の合間を縫って何団体か聞かせて頂きました。
主に代表団体を中心に、軽く感想など。
まずは、福岡第一高校。課題曲は4番、自由曲は、ばらの騎士でした。相変わらずの個々の奏者の技術力の高さを見せてくれましたが、やや全体的に焦点が絞りきれていない印象。大会が進むにつれてこの辺りの精度は高まっていくのでしょう。
続いて中村学園女子高校。課題曲は安全運転ながらも、堅実な展開を見せていました。自由曲は、なぜ今この曲を・・・・というのが正直な印象でしたが、指揮者が思い描いているであろう完成型にはまだまだ辿り着いていないな、という感じでしょうか。
大牟田高校。課題曲はテンポ設定がマーチの安定感に欠いていた印象でした。自由曲のカントゥスも、非常に高い技術力で独特な音圧を作り出していたのが印象的でしたが、抑揚の変化の幅が全楽器常に一定で、やや音楽的な立体感に欠けていたのが残念でした。
筑紫台高校は、総合的な合奏力とサウンドの安定ぶりが見事でした。課題曲自由曲ともにテンポ設定やサウンドのバランスも心地よく、今後の展開が楽しみなバンドです。後、必要なのは、は画竜点睛でしょうか・・・・。
修猷館高校。課題曲は全体的に音が開き気味で、やや雑然とした印象でした。自由曲は難曲をよくこなしていましたが、弱奏部分のハーモニーの不安定さが、残念でした。
城南高校、課題曲のテンポはやや速いかなという印象。自由曲は、ともすると地味に聞こえる楽曲を木管楽器のエッジあるサウンドで見事に主張を持った音楽に仕上げていました。弱奏部分の不安定さが惜しかったですね。
春日高校は、課題曲が秀逸で、トリオが最もトオリらしいマーチに仕上げていました。一方の自由曲は前半はサウンドにもエッジがあり場面場面を音楽で的確に表現していましたが、中盤以降、音楽的な整理が未解決で、焦点がボヤけてしまっていたのが残念でした。個人的に好きなサウンドを持ったバンドです。
そして城東高校。圧倒的な音量と音圧と高いスキルで会場を圧倒していました。このスタイルを個性と捉えるなら、外部でとやかく言う問題ではないのでしょう。
代表団体の中で、筑前高校は仕事の為に聞けなかったので県大会が楽しみです。

そのほか、金賞団体の中で、香住丘高校は、よくも悪くも上手な中学生の演奏という印象。高校生ならではのサウンド作りに期待したいところ。
人数が増えた泰星高校は、サウンドのバランスは安定して来たものの、大編成ならではの音楽作りに力を注いでほしいところ。
筑紫丘高校は、非常に高いスキルを持ったバンドでしたが、強奏部分になると金管のストレートなサウンドがバランスを壊していたのが残念。
朝倉高校は、城東高校の興奮の後に登場しながら、非常に堅実なマーチとよくアナリーゼされた自由曲で会場を魅了しました。随所に見られたキズが惜しかったですね。
銀賞ながら、卓越したクラリネット奏者でユニークな自由曲を披露した大濠高校には、課題曲5番に挑戦してもらいたかったですね。


さ、というわけでこの福岡支部に北九州支部筑豊支部の代表が加わって、福岡県大会が行われます。更にスケールアップした音楽に出会えるのを楽しみにしていましょう。