鹿児島県吹奏楽コンクール中学校の部

鹿児島県吹奏楽コンクール中学校の部最終日を聞きに、鹿児島市文化ホールに行ってきました。
以下、その感想などを。

鹿児島市立伊敷台中学校・・・・課題曲はややサウンドのバランスが悪いのか、本来のオーケストレーションとはややかけ離れたものになっていたのが残念。バンド全体のサウンドバランスの練り直しが必要なのではないだろうか。テンポ設定やマーチの推進力はさほど問題は無いものの、随所に見られた発音ミスも改善の余地ありだろう。自由曲は、このバンドの奏者達の技術力の高さと、入念に罪揚げレ等田音楽性の高さを感じさせるものだったが、ここでもサウンドの中低域が不足しているからか、強奏部分ではややヒステリックな場面も見られた。九州大会に向けては、サウンド・バランスの改善が急務だろう。実力のあるバンドなだけに頑張ってほしい。

鹿児島市立谷山中学校・・・・課題曲は、バランスのいいサウンドでスタートするが、旋律の歌い方がややぶっきらぼうなのが気にはなった。木管金管のユニゾンのバランスにも気をつかいたいところ。トリオ明けのファンファーレも落ち着きの無さが残念だったが、全体を通してハギレの良さとマーチの推進力が感じられる演奏だった。自由曲は個々の奏者、特に木管奏者の美しい音色を生かした好演だったが、主旋律以外の音楽構成要素にもっと丁寧に向き合ってほしいなという印象も。部分的に、パーカッションと管楽器のバランスが悪い部分もあったので、再考を。

鹿児島市立東谷山中学校・・・・実は休憩時間に外で仕事の電話をしているうちに予鈴がなり、電話を終えて入ろうとしたのだが、既にアウト。仕方がないので、ドアとドアの間から聞かせてもらった上での感想を。課題曲のマーチはクリアで安定したサウンドが印象的。随所でやや打楽器と管楽器のバランスが崩れたのが残念。トリオ後のファンファーレにもより一層の安定感を。自由曲は、オーケストレーションの効果的な秀曲で、クリアなサウンドがよく生かされていたが、部分的に打楽器と管楽器のバランスの再考を。それにしても去年の銀賞から一気に県代表まで上り詰めた努力には拍手。

以上が今年の鹿児島県代表3団体。今年は沖縄が代表団体を3つ送り込んで来る上、ここ最近鉄壁の福岡県代表宇美東、そして佐賀や宮崎の代表校を侮れない状況の中、鹿児島県らしい、主張のある音楽を、サンパレスで轟かせて欲しいものです。勿論応援に行きます。

さて、その他の金賞団体、加治木中学校金管サウンド、特にトロンボーンの破裂音が目立っていた感じで、それぞれの楽器の最も美しい音の追求か望まれるところ。
和田中学校は、女性指揮者らしくバランスのいいサウンドは健在でしたが、音楽的なアプローチが少々弱いかなという印象。
吉野中学校は、全体のサウンドがようやく定まってきた感じで、個々の奏者にキラリと光るものも感じられたものの、そうした逸材をまだまだ纏めきっていないという印象。
桜丘中学校は、例年のような精度の高い音楽が感じられず、この日が調子悪かったのかどうか・・・・。キャリアのある先生なので、またしっかりと建て直して来るのに期待したいところ。
重富中学校は、終始サウンドがざわついているという印象で、まずはパートごとにしっかりと合わせるという基本にもう一度忠実になってほしいもところ。
霧島中学校は少人数でのチャイコの4番をしっかりと吹きこなしたのにブラボー。
国分中学校は意欲的な選曲には拍手を送りたいが、そのチャレンジの前に、弱奏時のハーモニーの安定等、基本的な再確認が望まれるところ。

というわけで、今回は少々辛口になってしまいましたが、鹿児島県は小学校に優秀な学校が多くあり、その卒業生が中学校に上がって来るという部分で、やや生徒が元々持っている部分に頼っているのでは・・・・などと思ってしまうぐらい、合奏能力の低下がここ数年で見られます。小学校や高校、一般のレベルが年々上がって行く中で、是非奮起して頂きたいところでしょうか。勿論指摘するは易し、実行するのは難しですが・・・・。