福岡県吹奏楽コンクール・高校の部

激戦と言われる福岡県吹奏楽コンクール、高校の部を聞きにサンパレスに行ってきました。

まずは城東高校支部予選でも圧倒的な音量と個性豊かな音楽を披露していましたが、今回はやや路線が変わり、粗雑な部分がそぎ落とされ、包み込むような部分も見られるようになった事で、更にその存在感を増幅させたという印象でした。点数的にもぶっちぎりの1位だったそうです。
続いて福岡第一高校。朝一番の登場にも関わらず、非常にクリアなマーチを展開していました。が、自由曲になると、やはりリヒャルト・シュトラウスの楽曲を管楽器だけで表現するのは難しいのか、全体的に靄がかかったような印象でした。九州大会は午後の後半の出演順とのこと。風の流れを見方に付けられるでしょうか。
飯塚高校。課題曲自由曲を通じて細かいミスが散見されたのが残念でした。音楽的な流れをしっかりと掴んでいたのには好感が持てましたが、九州大会に向けて、演奏そのものの精度を更に高めたいところでしょうか。
筑紫台高校。非常にサウンドのバランスのいい課題曲に心地よさを感じました。自由曲は、今年随所で耳にした楽曲ですが、パーカッションを軸にした非常に演奏効果の高い楽曲。ほとんど傷も見られず、質の高い音空間を魅せてくれました。弱奏部の安定感も抜群だったと思います。
修猷館高校。課題曲は、元気溌剌とした感じでしたが、繊細な部分にも注意を払いところです。自由曲は、ややドタバタした感じもありましたが、弱奏部分は予選に比べて遥かに安定していたのが心地よかったです。
穂高。課題曲はさすがに安定したマーチを展開していました。決してうるさくない豊かな音量も魅力的です。自由曲は冒頭部分が、作曲者の意図とややかけ離れている印象でしたが、クライマックスの歌い込みは、さすがのものを見せてくれました。
小倉高校。全体を通して、例年のようなサウンドの艶が見られなかったのが残念でした。課題曲自由曲共にソツなくこなしていましたが、音楽的な主張みたいなものがやや弱かったかなという印象でした。
城南高校。予選より更に、サウンドの重量感を増していたのが印象的でした。が、全体的に音楽的な輪郭、流れを重視するあまり、細かいディテールの部分が粗雑な扱いになってしまっていたのが残念でした。弱奏部のハーモニーは、より安定度を増していて、心地良かったです。

さて、代表は逃したものの、大牟田高校は、高い技術をもった演奏で、ほぼ傷のない展開が素晴らしかったです。やや打楽器の強打が管楽器の存在感を覆い隠す場面があったのが残念でした。
中村学園は、予選より格段に演奏力音楽力が増していましたが、やはりこのような自由曲は、バンドを丸裸にしてしまう感じで、1点を争う激戦にあっては、やや不利だったかも知れません。個人的には、こうした曲にチャレンジする姿勢に拍手したいと思いますが。
春日高校は、今回も非常にバランスのいいサウンドと、クリアな音楽で魅了させてくれました。主旋律を更にクリアに聞かせるアナリーゼとアプローチがなされれば、評価も上がって行く事でしょう。

それにしても福岡県大会の高校の部は、上位校に明確な差があるわけでもなく、おそらく1点ごとに順位が変わる激戦だった事でしょう。これらの音楽を1500円で聞けるというのは、非常にCP高し・・・・という感じです。多謝多謝!!。

さて、本編終了後、ユニバーサルミュージックより電話があり、急遽マリンメッセに移動。コンクールとはまったく異質な音空間を楽しんできました(笑)。