川越奏和奏友会吹奏楽団定期演奏会

近年私にとって恒例となった、この時期のこの楽団の演奏会に今年も足を運びました。場所は小江戸、川越。
大体いつも天気に恵まれますが、この日は少々暑いぐらい。
開演前から大勢の人が列をなし、開場後はあっという間に客席が埋まりました。
先ずは、過去の委嘱作、飯島俊成氏の春の頌歌。
もう、のっけから骨太でありながら細部にまで神経のゆき届いた、いつものサウンドにあとは身を委ねるだけ、という感じでしょうか。かなりデッドな響きの会場にあっても、揺るぎないサウンドは圧巻です。
続く、太鼓と吹奏楽のための祝典序曲〜そして時は動き出すでは、ソロ太鼓をはじめ、音粒が会場を飛び回るような鮮やかさ。作曲の中橋さんも会場に来ておられました。
つづいては、東日本311によせて、フィリップ・スパーク氏がリアレンジした、The Sun Will Rise Again〜陽はまたのぼる。フィリップ氏のメッセージも紹介されました。この楽曲の収益は全て赤十字社に寄付されるそうです。美しいコラールでした。
一部最後は、アルフレッド・リードパッサカリア。古典の練習曲のようなレクイエム的な要素も持った作品ですが、サウンドの色合いに変化があれば更に感動的だったかも知れません。
というわけで、一部は半分が追悼色の濃いものになったので、会場の雰囲気もやや重くなったようでした。
それを見事に払拭したのは、二部の岩井直薄先生の登場によるラテンPOPステージ。御歳88歳と紹介するのが無意味なぐらいにお元気な音術と話術。そんな中で、ソロ楽器の方々の無表情さは、少々気になりましたが・・・。この辺り、日本人はエンタテインメントに徹するのがまだまだ苦手のようですね(笑)。
アンコールでは、再び佐藤正人氏の棒で、今年度の課題曲一番を披露。「なるほど、こう聞かせるられるわけだ」と感心させられる箇所多数!
というわけで、今年も個人的に大好きなサウンドと音楽作りに触れることが出来て、幸せな音楽日和となりました。