東京都吹奏楽コンクール中学校の部

高等学校の部に引き続いて、中学の部の後半を聞きに行きました。
午前中、仕事に関する用事で聞けなかったのは少々残念。

まずは後半の部、トップバッターで見事代表に返り咲いた、小平市立第六中学校
一時期に比べると人数は少し戻ってきた印象でしょうか。課題曲3番は非常に芯のあるサウンドで、かつての勢いを取り戻したかのような快演でした。続く自由曲も、このバンドのサウンドカラーに合った選曲で、前半の緊張感溢れる演出から、終盤のうねるような音楽の展開が素晴らしい熱演でした。ただ、ステージに登場してから演奏中も殆どの奏者がうつむいたままだったのにやや違和感を感じましたが、そういう演出だったのでしょうか・・・。

続いて代表にはなれなかった、金賞バンドのひとつ、玉川学園中学
おそらく、最もゴージャスで安定した潜在的サウンドを持つバンドだと思うのですが、課題曲自由曲を通して、全体的に靄がかかったような感じで、音楽の骨組みがクリアに聞こえてこなかったのが残念でした。代表団体との差は、そこにあったのではないかと思われます。また自由曲も、中学生が全体像を理解して、音楽をアピール出来るような選択肢が他にあったのではないかと思われました。実力のあるバンドだけに、残念な結果に終わりましたが、次に期待しましょう。

そしてもうひとつの金賞バンドは、中学の部のラストを飾った中央区日本橋中学校
いったい東京都大会にここ10年ほどの間に何回駒を進めて来ているのでしょうか・・・というぐらいの常連ですね。ひとつ前の玉川がやや不明瞭なサウンドだったのに対して、このバンドは非常にストレートで、かつ楽器の響きを大事にした好演でした。ただ、全体を通して、そのサウンドのバリエーションが乏しく、場面転換に応じたサウンドカラーの変化が望まれるところです。しかし、自由曲のラストまで緊張感を保った素晴らしい音楽作りでした。

その他、去年まで代表の常連だった小平第三中学校は、今年から指揮者が変わり、現在はその過渡期でしょうか。全体を通して、発音ミスが多く見られたのが残念でした。トータルのサウンドは質の高いものを持っているので、この経験を経て、どう生まれ変わってくるのか、楽しみにしていましょう。

というわけで2013年の中学の部東京代表は、プログラム1番の羽村第一中学校と、小平第六中学校に決まりました。名古屋での活躍を期待しましょう。