2004年鹿児島県吹奏楽コンクール中学校の部代表選考会

去年から、中学の部は、代表選考会を行っています。今年も予選で選ばれた11校の競演が行われました。
では、代表校の感想などを。

鹿児島市立桜丘中学校
指揮者は九州大会にも何度も出場し、全国大会の出場経験も持つベテランです。課題曲2番は、バランスの良いイントロからスタートしますが、その後のトランペットによるテーマがもっと伸びやかに響けば、更にマーチに輝きが増すのではないでしょうか。また同じパターンが続くときの2度目の演出をどう施して聞かせるか、その辺も工夫も求めたいところです。トリオ後、若干テンポやリズムにブレが見られましたが、最後まで前進して行く気持ちを持ち続けてほしいところです。自由曲は、予選ではかなり苦戦していましたが、この日までの進歩の速さに、中学生の成長のスピードを実感いした次第です。ただ、ここでもffのサウンドに伸びやかさと輝きのある艶感が加わると、更に音楽が大きくなるのではないでしょうか。また鍵盤打楽器の使い方にも一工夫欲しいところです。しかし、全体を通して、音楽の力に溢れた熱演だったと思います。

鹿児島市立武岡中学校
ここの指揮者も、国分中学校時代に全国大会に出場して金賞を受賞した経験を持つベテランです。課題曲2番は、テンポやリズムの安定した好演でしたが、全体的に起伏に乏しく、音楽が小さく聞こえてしまうのが残念でした。打楽器とのバランスにも更に気を遣いたいところです。全体を通して、旋律が淡々としすぎている感が気になりました。自由曲は、打楽器とのバランスも改善され、音楽の輪郭がクリアに聞こえてきました。ただ、予選でも感じたのですが、時折ピッチが不安定に聞こえてしまうのが残念でした。ユニゾンをどう合わせて聞かせるのか、九州大会までの大きな課題です。

鹿児島市立鴨池中学校
昨年に引き続いて、代表になりました。このバンドの一番の特徴は、個々の楽器がならではの美しい音色で音を奏でているという点でしょうか。特にトゥッティにおけるサウンドの調和が素晴らしく、音楽の展開が非常にクリアに聞こえてきます。ただ、そんな中でも、マーチの聞かせ方、展開のさせ方など、次なるステップにはまだ到達していていかなという印象で、より積極的な音楽作りも望まれるところです。自由曲においても、レンジの広いサウンドが心地よく響いて来ましたが、生徒の楽曲に対する理解度、分析度がまだ途上にあるという感じで、その辺りの音楽作りへのアプローチか九州大会までの課題となるでしょう。

その他、代表は逃したものの、明和中学校丁寧な音楽作りが印象に残りました。人数の関係もあってか、課題曲では、金管木管のバランスを崩していましたが、自由曲は、この人数に見合った選曲で、伸びやかなサウンドと、センスの良い音楽作りが印象的でした。来年に向けて人数が増える事を期待すると共に、この美しい音価区作りに更に磨きをかけて欲しいところです。
また、鹿児島市立紫原中学校は、有力校が人数て苦労する中、50年というフルバンドでの登場。全体の音楽としての輪郭はしっかりと作られていましたか、細かいディテールやピッチ等において、やや雑に感じられる部分が多く、その点を克服してもらいたいところです。